フランス・ポピュラー音楽紹介 (1960-1979)

Musique pop française (1960-1979)

 フランス語圏のポピュラー音楽(フレンチ・ポップ)の曲をピックアップして紹介します。今回は1960年代、70年代を扱います(「1980-現在」編はこちら)。 曲の選定は、飯野和夫(名古屋大学大学院国際言語文化研究科)と棚橋美知子(愛知工業大学・名古屋市立大学非常勤講師)が話し合って行いました。二人とも ふだんは日本に住みフランス語・フランス文化を教える教員であり、ポピュラー音楽の専門家ではありません。また、何らかの客観的指標にもとづいて選曲した わけでもありません。多くの方はフランス語圏のポピュラー音楽にはあまりなじみがないと思います。このページはそうした方々にこの音楽に興味を持っ てもらうきっかけになることを目指すもので、それ以上のものではありません。

紹介したい曲については、歌手名、曲名、発表年を順に掲げ、 ビデオあるいは音声、次いで歌詞にリンクさせました。さらに、歌手について Wikipedia の項目、活動全般が把握できる音楽サイトのページ、オフィシャルサイト、へのリンクを掲げました。Wikipedia は日本語か英語のページにリンクさせましたが、そのページの左側にあるリンクから他の言語のページに移れます。Wikipedia の記述は参考程度に考えて下さい。このページの末尾には参考になる若干のサイトと文献を掲げています。

注意事項

  このページでは見る人の便宜のために、他のサイト上のビデオ、歌詞へのリンクを張っています。これらネット上のコンテンツは個人での利用に限って下さい。また、ビデオなどを自分のパソコンなどへ保存することは禁じられています。リンクの作成は次のような考え方にもとづいて行いました。

(1) リンクさせるビデオは1. プロモーション用など公式のビデオ (« vevo » が提供するビデオを含む) と、2. フランス国立視聴覚研究所(L’Institut national de l’audiovisuel、INA)が運営する ina.fr というサイト上のビデオ、を優先しました。1, 2でカバーできない若干の曲については、3. ネット上の主要な音楽サイトを利用しました。こうしたサイトも著作権を遵守することを表明しています。

(2) 歌詞についても、主要音楽サイトは同様の立場を取っています。ただし、このページでは念のため、個々の歌詞に著作権についての記載がある Lyrics.net と、「出版社、著作権保有者との協定によって100%適法」であると宣言している Paroles.net という二つの歌詞サイトに優先的にリンクさせました。(Paroles.net は使い勝手が悪いかもしれませんが、こうした事情ですのでご了承ください。)

このページの内容についてのご意見は、直接飯野(ino@nagoya-u.jp,送信時には@を半角に変更)にお送り下さい。

 

1960年代

Johnny Hallyday ジョニー・アリデー (1943- )    Il faut saisir sa chance             1961
ビデオ歌詞。アリデーはフレンチポップの大御所。フランスの Elvis Presley のような存在で今日まで活躍を続けている。« Johnny Hallyday » はステージ・ネーム。
J. Hallyday : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site

Dalida ダリダ (1933 – 1987)        Garde-moi la derniere danse(ラストダンスは私に)     1961
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞。ダリダはカイロ生まれのイタリア系。アメリカの The Drifters の « Save the Last Dance for Me » のフランス語によるカバー。
Dalida : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動

Salvatore Adamo           サルヴァトール・アダモ (1943- ) Tombe la neige(雪が降る)      1963
ビデオ。  歌詞。アダモはイタリア生まれだが、幼少よりベルギーに移り住んだ。主にフランス語で歌い、世界的名声を得た。日本にもなじみが深い。
Adamo : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site(メンテナンス中)

Danielle Licari ダニエル・リカリ             Les parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)      1964
ビデオ歌詞 (歌手名は C. Deneuve になっている)。フランスの同名のミュージカル映画の主題歌。Catherine Deneuve (カトリーヌ・ドゥヌーヴ) 演じるヒロインの歌う歌をリカリが吹き替えた。リカリは Concerto pour une voix (ふたりの天使、1970年) のスキャットでも有名。また、60年代のフランスのミュージカル映画では『ロシュフォールの恋人たち Les Demoiselles de Rochefort 』(1967) も必見。
Danielle Licari : Wikipedia(日本語) ; Official Site

Enrico Macias エンリコ・マシアス (1938- )          Paris, tu m’as pris dans tes bras         1964
試聴 (アルバム所収の曲目から選択)。ビデオ(1965)歌詞。マシアスはフランス領だったアルジェリアの生まれ。世界的名声を得た。他に L’amour, c’est pour rien (1964) (試聴[アルバム所収の曲目から選択]、歌詞) もよく知られている。
E. Macias : Wikipedia(English) ; 音楽活動 ; Official Site

Sylvie Vartan シルヴィー・ヴァルタン (1944- )    La plus belle pour aller danser(アイドルを探せ)              1964
ビデオ歌詞。シャルル・アズナヴール (Charles Aznavour) の名曲。S.ヴァルタンは68年には Irrésistiblement 愛のとりこ (ビデオ歌詞) も大ヒットさせる。
S. Vartan : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site

France Gall フランス・ギャル (1947- )    Poupée de Cire, Poupée de Son(夢見るシャンソン人形)              1965
ビデオ歌詞。セルジュ・ゲンズブール (Serge Gainsbourg) の初期の作品。F. ギャルはソングライターのMichel Berger ミシェル・ベルジェと結婚し、その後も長く活躍。他に Évidemment (1987)(試聴〔アルバム所収の曲目から選択〕、歌詞)など。
F. Gall : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動

Vicky Leandros ヴィッキー・レアンドロス (1949- )           L’amour Est Bleu(恋は水色)   1967
ビデオ歌詞。V. レアンドロスはギリシャ出身。この曲は1967年のユーロビジョン・ソング・コンテストで入賞した。
Vicky : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site

Françoise Hardy フランソワーズ・アルディ (1944- )         Comment te dire adieu(さよならを教えて)              1968
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞。これも S. ゲンズブールの作曲。F. アルディは長く活躍を続けるシンガー・ソングライター。夫は著名なミュージシャンのジャック・デュトロン(Jacques Dutronc)。
F. Hardy : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site

Joe Dassin ジョー・ダッサン (1938 – 1980)          Les Champs-Elysées   1969
ビデオ(Cecilia, Les Champs Elysées, etc. [Les Champs Elysées は 3:30 あたりから])。試聴歌詞。J. ダッサンはアメリカ生まれだが、少年期に家族とヨーロッパに渡り、その後、歌手としてフランスで活躍した。心臓発作により死去。
J. Dassin : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動

Michel Polnareff ミシェル・ポルナレフ (1944- )  Tout, tout pour ma chérie      1969
試聴(or ビデオ)(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞。この曲は誰もが耳にしたことがある大ヒット曲。Love me, please love me (1966)(試聴〔アルバム所収の曲目から選択〕、歌詞)も有名。父方がウクライナ系。
M. Polnareff : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site(フランス語を理解できる人向け)

60年代には他にも
Yves MONTAND イヴ・モンタン、Jacques BREL ジャック・ブレル、Charles AZNAVOUR シャルル・アズナヴール、Juliette GRÉCO ジュリエット・グレコ、Georges MOUSTAKI ジョルジュ・ムスタキ、Gilbert BÉCAUD ジルベール・ベコー、Nana MOUSKOURI ナナ・ムスクーリ、BARBARA バルバラ、など多くの歌手が活躍しました。

 

1970年代

Véronique Sanson ヴェロニック・サンソン (1949- )         Amoureuse       1972
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。ビデオ歌詞。シンガー・ソングライターとして今日に至るまで活躍を続けるサンソンのデビューアルバム Amoureuse から。
V. Sanson : Wikipedia(English) ; 音楽活動 ; Official Site

Brigitte Fontaine ブリジット・フォンテーヌ (1940- ) / Areski Belkacem アレスキ・ベルカセム (1940- )              Comment ça va              1973
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞(B. Fontaine の曲の歌詞は greatsong.net に詳しい、このサイトでの試聴には登録が必要)。アンダーグラウンド系音楽。二人の前作、1969年のアルバム Comme à la radio もフランスのアンダーグラウンド音楽の古典的存在。ina.fr のサイトでは1990年代の二人(あるいはBrigitte一人)が演奏する映像(Soufi, Le Nougat など)を見ることができる。彼らの曲の歌詞は多くの場合平易なのでフランス語の学習にも応用できそう。
B. Fontaine: Wikipedia(日本語) ; 音楽活動 ; Official Site
Areski: Wikipedia(French) ; 音楽活動

Michel Delpech ミシェル・デルペッシュ (1946- )  Le chasseur    1974
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞(ビデオ)。デルペッシュは70年代後半から80年代前半にかけての内向期を経てカムバックした。この曲の歌詞は平易。半過去が多用されている。
M. Delpech: Wikipedia(English) ; 音楽活動 ; Official Site

Jacques Brel ジャック・ブレル (1929 – 1978)     Voir un ami pleurer      1977
試聴(アルバム所収の曲目から選択)。歌詞。ブレルは50年代、60年代と活躍して名声を確立し、1973年にフランス領ポリネシアに移住した。74年に肺がんを患った彼は、77年パリで最後のアルバムを発表した。この曲はその内の一曲。他に La ville s’endormait, Jojo など。翌78年に死去。
J. Brel : Widipedia(日本語) ; 音楽活動

Téléphone テレフォン (1976 – 1986)        Hygiaphone      1977
ビデオ (Flipper, Le vaudou, et Hygiaphone [Hygiaphone は 11 :30 あたりから])。歌詞(Hygiaphone)。Téléphone はフランスには珍しい「古典的」ロックグループ。1976年から1986年まで活動。ここに掲げた曲はデビューアルバム中の一曲。他に Ça (C’est Vraiment Toi) (1982) (ビデオ歌詞) など。ヴォーカルであった Jean-Louis Aubert (1955- ) はその後ソロに転じて成功した。
Téléphone : Wikipedia(English) ; 音楽活動

Claude François クロード・フランソワ (1939 – 1978)        Alexandrie Alexandra  1977
ビデオ歌詞。C. フランソワは、« Cloclo » の愛称で呼ばれた1960-70年代を代表する歌手だったが、1978年に事故(感電)により惜しくも亡くなった。1967年には、Comme D’Habitude (いつものように) (ビデオ歌詞) を歌っている。これは、ポール・アンカ Paul Anka、フランク・シナトラ Frank Sinatraらが歌って世界的にヒットした My Way の原曲。
C. François : Wikipedia(日本語) ; 音楽活動

1970年代にはまた、Yves Duteil イヴ・デュテーユ (1949- ) が代表曲 Prendre un enfant (子どもを抱いて) (1977) (ビデオ歌詞) をヒットさせました。

 

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現代の、ほぼリアルタイムのフランスのポピュラー音楽を追いかけるには次のツイッター・アカウントが便利です。

フランス語のポップスとロック@ふつごぽん
「フランス語圏のフランス語の歌を中心に紹介するボット」と自己紹介されています。音楽動画へのリンクを、簡潔な紹介文とともにツイートしています。「フォロー」しておけば、毎日何曲も配信されることになりとても便利です。(2018年1月)

一方、リアルタイムのフランスにおけるヒット状況は、たとえば Charts in France のサイトの次のページで見ることができます。
Top Singles en France
Top Albums France

参考になる日本語や英語によるサイトと文献には以下のようなものがあります。
Music of France” (Wikipedia)
French pop music” (Wikipedia)

現代のフランス音楽事情」-フランス観光開発機構オフィシャルサイトの中の記事。

フランス語 Chocolat! Podcast: Musique 音楽」-オンライン・フランス語教室の音楽紹介のページ。

音楽雑記帳: フレンチポップ」-音楽関係のブログのフレンチポップのカテゴリー。

ルゼルの情報日記 シャンソン/フレンチポップ・カテゴリ」-現在も更新されて新曲を紹介しているページ。

フレンチポップ100年史」-現在も更新されて新曲を紹介しているページ。(2018年2月更新)

Demari,長野,西山,Calvet『ヌーヴェル・シャンソンで楽しむ 現代フランス語スケッチ』 (2枚組CD および 別冊日本語版付き), 第三書房,1996.

大野,野村『シャンソンで覚えるフランス語』1-3,第三書房,1 : 2003, 2 : 2004, 3 : 2005.

田所光男「エンリコ・マシアスの歌うアラブ=ユダヤ共生」,平成16年度-17年度日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)「20世紀ポピュラー音楽の言葉:その文学的および社会的文脈の解明」報告書,2006年2月

田所光男「ショアー後のフランスに生きる東欧ユダヤ移民のアイデンティティ――革命家ピエール・ゴールドマンと歌手ジャン=ジャック・ゴールドマン――」,『敍説』第2巻第3号 p.101-114,花書院,2002年1月

永島 茜『現代フランスの音楽事情』,大学教育出版, 2010.
この書は現代フランスのいわゆるクラシック音楽について扱っている。