レンヌ Rennes

 

2016年9月に調査旅行の一環として、フランス大西洋岸の代表的都市であるナントを訪れた。ナント滞在中には、近隣のレンヌ市まで足を延ばし、レンヌ大学図書館でも調査をした。レンヌ市はブルターニュ地方の主要都市であり、市としての人口は21万人ほど (2006年)、周辺を含めた都市圏人口は66万人ほど (2009年) になる。都市圏人口86万人のナントとくらべてやや小ぶりの都市圏を形成している。

ブルターニュ地方は、現在に至るまでケルト系の文化を保ってきており、独自の言語であるブレイス語 (ブルトン語) も残している。かつて中世期には独立性の高いブルターニュ公国をなしていた。レンヌとナントの町はともにブルターニュ公国の主要都市であった。先にレンヌが公国の首都であり、その後、10世紀末からフランスがカペー朝となった時代、つまり盛期中世には、ナントに首都が移ったようだ。

時代が移って、1956年にフランスが地域圏に編成された際、ブルターニュ地域圏が発足した。この際、かつてブルターニュの一部であった、ナントを中心都市とするロワール=アトランティック県は、隣のペイ・ド・ラ・ロワール地域圏に含まれることになった。これによって、現在のナントにおいてはブルターニュ色を感じることは少ない。一方、レンヌは、一貫してブルターニュ地方の主要都市であり続け、現在はブルターニュ地域圏の中心(首都)となっている。

レンヌは18世紀初めに大火にあい、また第二次世界大戦によって甚大な損害を蒙ったとのことだ。現在、レンヌは落ち着いた町並みを形成しているが、戦争による破壊がなければ、さらに歴史が蓄積した町となっていたのかもしれない。地下鉄の駅では、ブルターニュの民族音楽が流されており、ここがブルターニュなのだということを強く感じさせてくれる(注)。

現在、文章の作成にこれ以上の時間が取れないので、まずは2016年の訪問時に撮影した写真を中心にアップし、文章は暇を見て補足していこうと思う。このページの文章や写真説明にはWikipedia 等を参考にしている。

Google Map 日本語版のレンヌの地図はこちら
Wikipedia 日本語版のレンヌの項はこちら

このページ上部の写真:
ヴィレーヌ川 la Vilaine の中州である聖エリエ(サン・テリエ)島 Île Saint-Hélier
(Wikipedia より)

 

町の中心にあるレピュブリック広場 Place de la République.
(Wikipedia より)

ヴィレーヌ川 la Vilaine. レピュブリック広場から東方を眺めたところ。
この川は暗渠 (あんきょ) となってレピュブリック広場の下を抜ける。

サン・ピエール大聖堂 Cathédrale St-Pierre.

大聖堂の内部

市庁舎 Hôtel de Ville.

旧ブルターニュ高等法院 Parlement de Bretagne. 現在はレンヌ控訴院が入る。
1994年2月5日、漁業従事者たちのデモが混乱する中で、この建物は火に包まれた。この火災により屋根は焼け落ち、建物の内部も大きな損傷を被ったが、1999年に再建工事が完了した。

火災の様子とその後の再建計画については、以下のビデオを参照のこと。http://www.ina.fr/video/CAC95009381/retro-parlement-de-bretagne-video.html
http://www.ina.fr/video/CAB95006198/parlement-bretagne-video.html
http://www.ina.fr/video/RNC9402103014/les-projets-pour-la-reconstruction-du-parlement-de-bretagne-video.html

市街中心部の小公園 Square de la Motte にある普仏戦争(1870-1871)、第一次世界大戦(1914-1918)、および第二次世界大戦(1939-1945)の戦没者記念碑。
塔の上部には Honneur aux braves tombés pour la patrie (故国のためにのために倒れた勇者をほめたたえよ) とある。この点については、当サイトの「先史遺跡から考えるフランス人の文明観
--クルティウス著『フランス文化論』をめぐって(2)」の末尾近く、レゼジーの村の第一次世界大戦戦没者記念碑についての記述を参照のこと。

レンヌには中世末期からルネサンス期の木骨組みの家屋が比較的多く残っている。
(ただし、フランス東部のストラスブールなどにはもっとまとまって残っている。)
これ以降掲げる写真は、旧市街に点在する木骨組み家屋を訪ね回って撮ったもの。

 

 

 

レンヌ美術館 Musée des Beaux-Arts de Rennes の入り口

ジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥール Georges de la Tour

アモリ=デュヴァル Amaury-Duval

カーユボット Gustave Caillebotte

市の中心部から、市の西部にある文系のレンヌ第二大学
ヴィルジャン Villejean キャンパスへはメトロと呼ばれる鉄道が通っている。

レンヌ第二大学の大学図書館

 

(注)ブルターニュ音楽については、たとえば Nolwenn Leroy ノルウェン・ルロワ (1982- ) の Tri martolod, 2010 (Single 2011) 〔ビデオ歌詞〕を聞いてほしい。この曲はブレイス語 (ブルトン語) の伝統曲のカバーであり、ルロワの大ヒットアルバム Bretonne の中に収められている。

(2018年5月23日)