ボルドー Bordeaux

 

2016年9月に調査旅行の一環として、フランス大西洋岸の代表的都市ボルドーを訪れた。ボルドー市としての人口は23万人ほどだが、周辺を含めた都市圏人口は111万人ほど (2009年) で、フランスで6番目の都市圏を形成している。

経済的発展の歴史を蓄積させたその町並みは重厚である。この町は、私が研究対象とする18世紀頃もいわゆる三角貿易〔奴隷貿易〕やワインの交易で「繁栄」しており、個人的には大変興味を引かれる。ただし2016年の旅行はほんの数日間滞在しただけであり、観光目的でもなかったので、町の表面の、しかもそのほんの一部を見ることができたにすぎない。今後いろいろ調べてみたくなる町である。

ボルドーの旧市街は2007年に世界文化遺産に登録された。登録名は「月の港、ボルドー」であるが、「月の港」とは、ガロンヌ川が三日月形に湾曲した所にボルドーの町が発展したことに因むボルドーの通称とのこと。当面、文章の作成に時間を取れないので、まず旅行中に撮影した写真を中心にアップし、文章は暇を見て補足していきたいと思う。なお、写真説明等にはWikipedia のフランス語版等を参考にしている。

Google Map 日本語版のボルドーの地図はこちら。
Wikipedia 日本語版のボルドーの項はこちら。
ボルドーの歴史の豊かさを感じるには、フランス語のページになるが、Wikipediaフランス語版の「ボルドーの歴史的建造物と観光地」の項目やボルドーの観光局のページを見るとよい。また、Wikipedia 日本語版にはボルドーの世界遺産についての項目もある。

このページ上部の写真：ブルス〔証券取引所〕広場 Place de la Bourse.
(2016年9月撮影)

cimg1346-800x600ガロンヌ川 la Garonne (写真右側) に面するボルドーの町並み。

cimg1684-800x600ガロンヌ川の川岸の遊歩道。

cimg1354m-800x600ブルス〔証券取引所〕広場 Place de la Bourse.
18世紀半ばに国王広場 Place Royale として竣工、変遷を経て、1848年から現在の名前で呼ばれる。前景は足が浸るくらいに水を張った 「水鏡 Miroir d’eau 」で、2006年に作られた。ガロンヌ川を背にしての眺め。

cimg1386-800x600大劇場 Grand Théâtre (1773-1780).
写真右隅は人の顔の形の現代アートの大型オブジェ。

cimg1333-598x800カヨー門 Porte Cailhau (15世紀)

cimg1401-600x800大つり鐘 Grosse Cloche (15世紀)

cimg1387-800x600高等法院広場 Place du Parlement.
上に見たブルス広場のそばの旧市街地にある。1760年に王立市場広場 Place du Marché Royal として作られ、変遷を経て、現在は、ボルドー高等法院（1451年創設、1790年廃止）にちなんだ名を持つ。

cimg1676-600x800サン・プロジェ広場 Place Saint-Projet と十字架。
サン・プロジェは 7 世紀のオーヴェルニュ地方 (中央山塊地方) の司教。十字架は柱身部分が中世のもので、柱頭はレプリカ。以前ここはサン・プロジェ教会 (14世紀) の墓地だった。付近にはローマ時代の石柱を配した広場もある。

cimg1304-593x800ペ・ベルラン塔 Tour Pey-Berland (15世紀, 高さ 66m) (手前) とサン・タンドレ大聖堂 Cathédrale Saint-André の東面 (奥)。大聖堂は12世紀から16世紀にかけての建築。

cimg1308-800x600サンタンドレ大聖堂を北東から望む。聖堂北面の 2本の尖塔の先端までの高さは 81 m. これはランスの大聖堂の鐘塔（尖塔形はしていない）の高さと同じである。

cimg1312-596x800北面。入り口は「王の門」と呼ばれる。施された彫刻は「最後の審判」(1250年)

大聖堂内部。手前の身廊部分は側廊がないこともあり、横幅は広い。天井（穹窿）までの高さは23m. 正面奥の内陣の天井までの高さは29m.

cimg1316m-800x591西面（写真左側）と南面（右側）。写真右端は上にも見たペ・ベルラン塔。

cimg1407-600x800サン・ミシェル教会 Église Saint-Michel (写真奥) と鐘楼 (15-16世紀).
独立した鐘楼は フランスで二番目に高い (114m)。登ることができ、ボルドーの町を一望することができるとのこと。鐘楼の尖塔は、地震や落雷によって痛んでいたところを1768年に暴風によって崩壊し、1861-69年に再建された。

cimg1682-800x592サン・ピエール教会 Église Saint-Pierre (14-15世紀)

cimg1292-600x800勝利広場 Place de la Victoire. 中景はアキテーヌ門 Porte d’Aquitaine (1749-1754) 。螺旋状の塔は 2005年の建造。門の右側の柱の手前には亀のモニュメント。
この広場は市中心部の南側に位置する。 ボルドー市の南西に隣接するペサック Pessac 市ある人文系のボルドー・モンテーニュ大学 (ボルドー第三大学) の方面に向かうトラムはここを通る。

cimg1648-800x60018世紀のボルドーを描いた絵画。
ボルドー美術館 Musée des Beaux-Arts de Bordeaux にて。

cimg1380-800x600トラム。遠景の塔はジロンド派記念碑 Monument aux Girondins.
この記念碑はフランス革命時に恐怖政治の犠牲になったジロンド派の国民議会議員を記念して 1894年から 1902年にかけて建立された。ボルドーが県都であるジロンド県選出議員がこの派の中心であったことはよく知られている。

cimg1282-800x591ボルドー市の南西に隣接するペサック Pessac 市に人文系のボルドー・モンテーニュ大学 （ボルドー第三大学）のキャンパスがある。キャンパスの中をトラムが走る。奥の建物は図書館。

（2017年1月3日）