オルレアン Orléans

 

2019年2月に初めてオルレアン市を訪れた。

オルレアン市の人口は11.3万人ほど (2006年) 、周辺を含めた都市圏人口は41.6万人ほど (2009年) である。この町の中心部は活気に満ちている。110km ほど西に位置するトゥール市は、人口13.6万人ほど、都市圏人口47.5万人ほどと、数字においてはオルレアン市をしのいでいるが、落ち着いた地方都市という印象を受ける。それにくらべてオルレアン市は街路など都市の骨格も骨太で、地方の中心都市という印象である。実際、オルレアンは現在、トゥールも含むサントル=ヴァル・ドゥ・ロワール地域圏 le Centre-Val de Loire (2015年までは単にサントル Centre と呼ばれていた)の首府という位置にある。

現在、文章の作成に充分な時間を取れないので、まずは今回撮影した写真を中心にアップし、文章は暇を見て補足していこうと思う。

Google Map 日本語版のオルレアンの地図はこちら
Wikipedia 日本語版のオルレアンの項はこちら
Wikipedia のサント・クロワ大聖堂 (オルレアン) の項: 英語版フランス語版
上の写真:ロワール川から見たオルレアン市街 (Wikipedia より)

 

市街の目抜き通りには重厚な建物が並ぶ。
左側奥、道路の正面には、登りの軽いスロープの先にショッピングセンターの建物がある。スロープの下は半地下のトラムの駅になっており、さらに裏手にある鉄道のオルレアン駅ともつながっている。

市街の中心部にあるマルトロワ広場 Place du Martroi. その中央にジャンヌ・ダルク像が立つ。

ジャンヌ・ダルク像

サント・クロワ〔聖十字架〕大聖堂(西側正面)。
二本の塔の高さは 88m (同様に尖塔でない双塔を持つ主な大聖堂の塔の高さは、ランス大聖堂 81.5m, パリ大聖堂 69m, アミアン大聖堂 68m)。西側正面の幅は 53m (ストラスブール大聖堂 51.5m, ランス大聖堂 48.80m, アミアン大聖堂 48.78m, パリ大聖堂 43.5m)。このように大きさでは他の大聖堂を圧倒している。
ただし、この大聖堂は、当初 1278年から 1329年にかけて建造されたものの、ユグノー戦争中の1568年に相当部分が破壊されたため、1601年に再建工事が開始され、最終的に完成したのは19世紀に入った 1829年とのことだ。西側正面は明らかにこの再建期、つまりバロック時代以降のもので、結果的にさまざまな様式の混交が見られる独特のスタイルとなっている。

通例では大聖堂の入り口はそのまま会堂内に入る戸口となっているが、オルレアン大聖堂の場合は、まず大きな開口部を抜け、その奥に戸口がある構造になっている。

南東側からの大聖堂の眺め

北西側からの大聖堂の眺め

身廊。天井 (穹窿) までの高さは 32m (アミアン大聖堂 42m, ランス大聖堂 38m, シャルトル大聖堂 37m, パリ大聖堂 33m, ストラスブール大聖堂 31m)。

会堂内のジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラスの連作の内の一つ。ジャンヌが火刑に処せられる場面。

距離をとって眺めると、大聖堂の塔の部分が大変大きいことが分かる。

トラムの二路線が交差する市内交通の結節点であるドゥ・ゴール将軍広場 Place du Général de Gaulle. 上で見たマルトロワ広場からも近い。左遠方には大聖堂が見える。

マルトロワ広場以南の市街の中央を南北に貫くロワイヤル通り Rue Royale では、両側の建物の道路側の一階部分がアーケード状の歩道になっている。

かつて市の中心部だった一帯。木骨組みの家屋もある程度残っている。

オテル・デ・クレノー Hôtel des Créneaux の鐘塔。この建物は14-15世紀の建築で、かつての市庁舎。現在はオルレアン芸術学校 Conservatoire d’Orléans の一部となっているとのこと。写真は中庭からの眺め。

ドゥ・ゴール将軍広場に面する一角にある「ジャンヌ・ダルクの家 Maison Jeanne d’Arc 」。
オルレアン解放の際にジャンヌが滞在した元の家は第二次世界大戦時に惜しくも焼失。現在の建物は1965年に復元されたものとのこと。内部の一階部分ではジャンヌの生涯を紹介するアニメが上映されている。

16世紀のルネッサンス期の邸宅であるグロロ邸 Hôtel Groslot. 邸内の一部の部屋が公開されている。

グロロ邸内の一室。右の壁には16世紀の作のジャンヌ・ダルクの肖像がかかる。

同じくグロロ邸の内部。

写真左の白っぽい建物は市庁舎。大聖堂と市庁舎の間のベージュ色の建物にはオルレアン美術館 Musée des beaux arts d’Orléans が入っている。大聖堂側に入り口がある。

オルレアン美術館の展示。

同じくオルレアン美術館の展示。

中心街(写真の手前側)の南部を流れる大河ロワール川。写真の右手が川下になる。遠方の建物群が対岸である。

マルトロワ広場からの眺め。ジャンヌ・ダルク像の背面と遠方には夕陽を受ける大聖堂の双塔。

公立図書館メディアテーク Médiathèque.

(2019年5月7日)